輝けアグリ21
天災に負けない~四代目 梨栽培に一直線~
渡部幸栄さん 《男鹿市》
降り積もった雪の上で剪定作業を続ける渡部さん
男鹿市五里合中石地区は、1947年に中石果樹生産組合を設立、共同販売や共同防除体制を整えながら、集落全体で和梨の作付拡大に取り組んできた歴史ある産地だ。
同地区で和梨栽培を営む渡部幸栄さん(30)は、1888年から続く果樹農家の4代目であると同時に、集落の中でも貴重な若手後継者の一人だ。
「農業高校に通っていたけれど、クラスの中で卒業後の進路を農業にしたのは俺だけだったんじゃないかな」と高校卒業当時を振り返る。
本格的な就農に向け、秋田県果樹試験場天王分場で行われた2年間の研修に参加したのは高校卒業直後。そこで果樹栽培に必要な一連の技術を学んだ。花粉の交配や収穫などをアルバイト感覚で手伝ってきた幸栄さんにとって、何もかもが新鮮な技術であり、果樹全般の基本的な知識も身につけることができた。
現在は、研修で学んだ知識を活かしながら、父・栄さんと二人三脚で約2ヘクタールの園地を管理している。一昨年は度重なる台風で収穫を目前にしていた梨のほとんどが落果、昨年5月には降ひょうの被害を受け、出荷量が大幅にダウンした。そして、今年の冬も記録的な豪雪で剪定作業が遅れるなど、自然相手に悪戦苦闘する日々が続いている。園地の中には、まだ足を踏み入れることさえできない場所もあるという。
「将来に不安がないと言ったら嘘になる。それでも自分が頑張ればきちんと梨は応えてくれる。果樹組合の仲間と一緒においしいと喜んでもらえるものを作りたい」と忙しいながらも丁寧な剪定作業に励んでいる。
(秋田みなみ)
>>輝けアグリ21一覧ページへ
