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【秋田ふるさと】パンにかけた想い・農業や地域を元気に

2019.12.21

 秋田県立増田高等学校は、地元名産品のリンゴを使ったパン「ラジオのおとも~感謝と奇跡~」を開発した。りんごジュースを練りこんだモチモチの生地の中にはシャキシャキ食感のリンゴのコンポートが入っており、すっきりとした甘さが特徴のパンに仕上げた。
 パンの開発は、同校と横手市商工観光部で2015年から連携協定を結び行われている「ティーンズ地域活性化プロジェクト」の一環。大変な農作業の中、ラジオを楽しみにしていることを農家から聞き、農家の苦労や農業への感謝をパンに込め、商品名を決めた。
 リンゴは同校で生徒が栽培したものを使用している。完成まで試行錯誤を繰り返し、半年を要した。ラベルのデザインも同校の芸術文化系列の生徒が行うなど、生徒たちのこだわりが詰められている。
 横手市のスーパーで12月21日に行った販売会の前には開発に携わった同校果樹科の生徒10人がこれまでの経緯や感想を発表した。パンは1個140円。準備した200個のパンは1時間弱で完売した。購入者は「食べ飽きない味で美味しい。これからも頑張って」と生徒に声をかけていた。
 プロジェクトメンバーの1人である、高橋拓巳さん(18)は「農業を元気にしたくて、若い世代に関心を持ってもらおうと開発したが、結果的に広い世代に喜んでもらえるパンができた。開発の苦労と、皆さんに喜んでもらった経験を社会にでたときに活かしたい」と笑顔で話した。
 これまでも仙台市や秋田市でも販売会を行い、好評を得ており、今後は各種イベントや、開発に協力した地元のパン屋でも販売することを検討している。

 

ティーンズ地域活性化プロジェクトを行う増田高校生徒と関係者