2020.09.03
菊を栽培する男鹿・潟上地区園芸メガ団地で、スマート農業を活用した大規模生産体系の実証が進んでいる。国の「スマート農業実証プロジェクト」の一環。先端技術の導入によって農作業にかかる労働力や作業時間を削減し、需要期の計画的で安定した出荷を目指している。
同団地は2019年から同プロジェクトに参加。花き農場としては全国最初の実証圃となり、ICTなどの技術を利用した圃場管理や農作業に取り組んでいる。
菊の一斉収穫機と切花調整ロボットの作業が9月3日に公開され、同プロジェクトの関係機関や農機メーカー、生産者ら約30人が参加した。同団地の吉田洋平さんが一斉収穫機を使って露地栽培の小菊「精はんな」を収穫し、切花調整ロボットで選別や結束を行った。
一斉収穫機は上部でフラワーネットを巻き取りながら小菊を立茎状態で刈り取り、機械後部に取り付けた収穫布に収めるのが特徴。製造したみのる産業は「天候や小菊の状態に合わせて、1人から4人で作業を行う。収穫とネットの回収、搬出作業が流動的にできるため、従来の手作業から大幅な作業時間の短縮が可能だ」と説明した。
JA秋田なまはげ船越花き集出荷所では、切花調整ロボットによる調整作業の実演が行われた。吉田さんが小菊を載せるとロボットがカットと重量選別を行い、規定本数を集めて結束。束ねた菊を持ち上げて集納部に収めるなど、箱詰め前までの調整作業を自動で行う動作が、参加者の注目を集めた。
吉田さんは「一斉収穫機と切花調整ロボットを併用することで作業効率が上がり、体力的にも楽に感じる。作業時間を短縮できることは、人にとっても菊にとってもありがたい」と話した。